タップ割り
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タップ割りとは
昭和時代の国内アニメーション制作期の中で生み出されたとされる「アニメ制作作画技法」で、この技術が毎週月~日のおよそ40~50本制作のジャパニメーションを支えていました。
TVなどで見られる昔の「アニメ制作の現場への潜入!」で、動画机の上で(写真参考)、動画用紙上部に差し込んでいる道具を「タップ」と呼びます。
※タップとタップの穴は「世界共通」とされています。
「タップ割り」は「2 枚の絵(原画)を重ねて位置合わせをし、間の線を取りながら描く」2Dアニメーションにとっては、基本となるテクニックです(…と同時に「奥義」とも呼ばれています)。
動画用紙を固定するタップ穴を「基準」にして、「中割り」をするから事から「タップ割り」と呼ばれています。
やってみよう!
タップ割と呼ばれますので、アニメの命とまで言われた道具「タップ」を「基準」に作画して行きます。
一般の人はタップが手元に無いと思いますので、デジタル制作を意識して「枠=タップ」を基準として練習してみましょう。
アナログ時代の自主制作アニメは、タップや動画用紙が手に入らなかったので、コピー用紙に穴あけパンチ(!)を使って、動画用紙の代わりしていた逸話があるようです…。
アナログタップ割の詳細 (listeningsideより:外部リンク)
アナログの注意点
中割りをする為に…動画用紙のタップ穴の位置がズレないように目玉クリップやダブルピンなどを用いたり、貼ってはがせるテープ等で止める必要があります。
ちなみにアナログを極めると拡大・縮小の比率が%でほぼ寸分狂わず出す事が出来る様になりますよ。これは現役の時代にコンビニのコピー代とミスなどで時間のムダを抑える為に身に付いた能力です😅
フレーム(枠)基準:デジタルのタップ割り
「CLIP STUDIO」のアニメ作画機能は、アナログ時代のノウハウを活かした作画ツールなっているのが特徴です。
一見ややこしそうに見えますが…基準をタップ穴からフレームに置き換える事により、理解度も変わります。
あくまでサンプル動画の作成なので、難しく考えないでまずは単純な「図形」でイメージしてみましょう。
① A①を作る
丸や四角などのテンプレートを、外側フレーム内ならどこでも構いませんので、大でも小でも描いて下さい。
サンプルなので、太くて濃いハッキリとした線が良いと思います(ベクター線で描いています)。
② A⑤ENDを作る
A①で描いた図形と大きさの違うモノを外側のフレーム内に入る様に描いて下さい(内側フレームは安全フレームと呼びますが、その説明は原画L/O編にて…)。
A①と同じくサンプルなので、太くて濃いハッキリとした線が良いです。
線の太さが大きく変わると動画での再現(中割り)が必要となりますので、A①と同じ線幅にすると良いでしょう(殆どのアニメーションは均一の線で描いている理由の一つです)。
③ A①とA⑤ENDを確認する
タップ穴の代わりにフレームを基準としていますので、レイヤーを透かしたりしてみて…A①とA⑤ENDを確認してください。
原画だけだとパカパカした動きとなりますので、自然な動きになる様に「中3枚の動画」を入れます。
④ アニメーションフォルダの作成
CLIP STUDIOでアニメ作画を行う時…アニメーションフォルダがないと、絵を動かす事が出来ません。
メニューバーからアニメーションを選択し「アニメーション用新規レイヤー」→「アニメーションフォルダ」を選択しましょう。
アニメーションフォルダ内のセル(レイヤー)は、動画ラフや後の彩色の事を考えて…レイヤーフォルダにしておくと良いでしょう。
セルの順番は必ず「下から上に」並べて下さい。
なお…アニメーションフォルダ内のセル(レイヤー)は、タイムライン登録しないと表示されませんので、忘れないように登録しましょう。
⑤ ツメ指示を拡大する
原画には「均等な」ツメ指示が入っています。
A①とA⑤の間に入る動画はA2、A3、A4の3枚入ります。
まずは真ん中に入る「A3」を作って行きます。
原画に指示されているツメ指示画像(レイヤー)をコピーして、大きさに合わせて拡大します。
これはアナログでは出来ない、デジタルだからできるテクニックの一つです😁
軌道は(あくまで)参考程度にしましょう!
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⑥ 中割りの基準となる動画「A3」を作る
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